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世代を超えて受け継がれるオーダーメイドジュエリー|指輪工房チェルキオ

こんにちは。株式会社MGNET(以下、MGNET)所属三条市地域おこし協力隊の今井です。

MGNETでは入社1年目のスタッフで「新人ズ」を結成し、地域を学ぶことを目的として色々な企業、店舗へお話を伺いに周っています。

 

そんな中で今回は、ふるさと納税に返礼品を提供しておられる指輪工房チェルキオへ伺い、始めたきっかけやジュエリーに対する想いなどをお聞きしてきましたのでご紹介いたします。

 

 

ひとりひとりに寄り添うジュエリー工房     

指輪工房チェルキオ(以下、チェルキオ)は、三条市西四日町の五十嵐川が目の前に見える場所に位置します。大きくはないですが、落ち着いた雑貨屋さんのような雰囲気の扉を開けると、そこにはシンプルで洗練されたジュエリーが並んでいます。

 

「秋になると紅葉が綺麗なんです」と話してくれたのは、代表の木戸和貴さん。(写真右)

工房の横には自然豊かな広い庭が広がっています。

チェルキオでつくっているジェエリーは9割がオーダーメイドだそう。

大手のジュエリーショップでは分業されることがほとんどですが、チェルキオではデザインのご相談から、制作、納品までを一人がお抱え職人となり一貫して担当しています。

 

オンラインが発達してきた現代ですが、お客様それぞれに合わせたジュエリーを制作するため、基本的には直接対面で相談することが多いそうです。なんと北は青森、南は大阪から、足を運んでくださるお客様も少なくないとか。

 

チェルキオでは、お客様のライフスタイルに合わせたジュエリーを提案しています。お客様がどういうものを求めていて、どんなものが似合うのか、それに合わせた金属の種類や形、薄さを選んでいきます。例えば、スキーをするためグローブをつけることが多いお客様には、外れにくい、かつ邪魔にならないような指輪のデザインを提案します。

 

「売ることがゴールではなく、つけてもらってからの生活を想像しています。特に結婚指輪はずっとつけていられるように日常に溶け込めるかという点を大切にしています。」

 

納品を終えた後でも、もっとこうしたい!という声があれば対応しているそうです。

 

 

チェルキオという名前に込めた想い

 

チェルキオ:cerchioとはイタリア語で「輪」という意味の言葉です。この名前には3つの意味が込められています。

まずは指輪の「輪」。

下積み時代、一番初めにつくるジュエリーは指輪だそうです。一見シンプルに見えますが指輪をつくるためには様々な技術が詰め込まれており、ジュエリー職人となるためにまずはみんな指輪づくりから始めるのだそうです。

 

2つ目は、人の輪としての「輪」。

チェルキオは、代表木戸さんと丸山さんのおふたりで創業しました。おふたりは下積み時代から働いていた職場が同じで、机も隣同士で修行に励んでいたそうです。独立が前提の職場だったため、木戸さんも7年ほど修行を積んでから独立しましたが、途中で挫折して辞めてしまう人も少なくなかったそうです。

 

「ジュエリーはキラキラした業界に見えるので、強い憧れやイメージを持って入ってくると現実とのギャップに挫けてしまう人も多いです。つくるものはキラキラしていますが、実際の作業は地味なんですよ。」

 

木戸さんと丸山さんは1年違いの先輩と後輩の間柄で、同じ大会に出ていたこともあったそう。

「同じ大会に出て、丸山さんの方が成績が上だったこともあります。」と笑う木戸さん。

貴金属装身具の技能五輪全国大会に出場し、丸山さんが金メダル、木戸さんが銀メダルを同じ年に受賞しています。

そして最後3つ目は、輪廻転生の「輪」。

輪廻転生とは生まれ変わりを繰り返すことを意味しますが、ジュエリーも同じように古いものを新しく生まれ変わらせることで10年後、100年後も誰かを輝かせる存在であってほしいという想いが込められています。

親から子へジュエリーが受け継がれる時に、昔の素敵なジュエリーを時代に合わせたデザインへ再生することで、デザインを楽しみながらジュエリーを身につけることができます。

 

 

お客様の要望から生まれたジュエリー

チェルキオが手掛けるジュエリーの中に「ボーンジュエリー」というものがあります。

 

亡くなった人や動物の死と向き合えない方のために、遺骨を封じ込めたジュエリーを身につけることで死を受け入れ、前向きに生活を送ってもらうためにつくられた指輪です。

遺骨を身につけるというと首から下げるピルケースのようなものが一般的ですが、ジュエリーとして普段使いできるように、他の指輪とデザインはそのままで内側をくり抜いて遺骨を入れています。レーザー加工によってしっかり密閉しているため、接合部分が劣化する心配がなく半永久的に身につけることができます。

 

ペットが亡くなって気持ちに整理がつけられないお客様の要望から生まれ、ジュエリーの中でも一番肌に触れる面積が大きいものということで、指輪として実現しました。大々的に謳っていなくても、遠方からボーンジュエリーのオーダーをしにくるお客様も多いそうです。

 

ふるさと納税の返礼品では、和釘やお米をモチーフとした少し変わっているジュエリーを出品されているため、こちらのジュエリーについても伺いました。

 

和釘デザインネックレスは、ふるさと納税に一番最初に出したデザインだそうです。このデザインに至った裏話を話すと、出品前に行ったワークショップの中で、グループでアイデア出しを行った際に出てきたアイデアなのだとか。

本物の和釘と同じ鍛造造りで制作し、三条の歴史と伝統が感じられるデザインとなっています。

 

そしてもう一つ出品しているのは、お米デザインネックレスというものです。なんとジュエリーの大きさは、実際のお米と同じ大きさになっています。新潟はお米の県ですし、米粒のフォルムも可愛いということで制作されたそうです。

実際に見せていただきましたが、ころんとしていて可愛らしいネックレスでした。

 

 

ジュエリーとは心を豊かにする存在

 

木戸さんは元々ジュエリーづくりには全く興味がなかったそうです。ただ、木戸さんの祖父がノコギリを作っていて、小さい頃からその職人の背中を眺めて育ちました。

高校生の時にやっていたサッカーの繋がりで、ジュエリー職人の研究生を募集している話を聞き、「やってみようかな」と思ったことがきっかけでした。とはいえ、始めてみると地味な作業ばかりの現実。修行を重ねる中で少しずつ技術を身につけ、デザインの提案からお客様を担当できるようになった時に、楽しさを感じるようになったそうです。

 

金の価値が上がった時代、ジュエリーの買取店が大幅に増えました。買取店でジュエリーが潰されている様子をみた時、

「買取店は金しか見ていない。誰もジュエリーの価値がわかっていない状態で売りに出されてしまっている。ジュエリーとして良いものは良い、と伝えられる人がいたほうがいい」

と感じたことがきっかけで、世代を超えて受け継がれるジュエリーをつくっていきたいと思ったそうです。

 

貴金属の良さは、安いメッキなどの壊れたら終わりとは違い、修理や修復ができるところです。

チェルキオでつくるジュエリーは全てお直しが可能なものです。ジュエリーを手に取ったお客様が永く身につけ、そして次の世代へ受け継ぐことができるために、自分たちの手で美しくつくり直せるものを販売しています。

 

納品をゴールとして考えるのではなく始まりと捉え、ジュエリーを通して一生涯のお付き合いが始まるのです。

 

「ジュエリーは生活の中で必需品ではありません。災害など生命の危機にさらされた時、心に余裕が無くなった時は必要のないものとされてしまいます。それでも心が疲弊している時こそ、ジュエリーは心に潤いを与えられる存在だと考えています。いわゆる富の象徴としてのジュエリーではなく、身につけた人が幸せな気持ちになり、自分がいかに愛されている存在であるかを思い起こさせる豊かなものであると考えています」

 

 

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企業情報

指輪工房チェルキオ

〒955-0851

新潟県三条市西四日町1丁目17-24

営業時間:10:00〜18:30

定休日:火曜日、第2,3日曜日

TEL/FAX:0256-64-7018

Email:08k19k@gmail.com

HP:https://cerchio1923.jp